file 03:家というフロンティア

住宅の改修というと、日本ではこれまで業界があまり信頼されていなかった。つまり「リフォーム」といえば「悪徳」といった悪いイメージを抱きがちだったけれども、リフォームそのものは大切だし、住み心地を変えることができます。高齢化社会には大切な分野です。

しかも、リフォームは、内需に大きく貢献します。労働者を必要とするし、材料も地産の木材などを使えば、の再生にも役立ちます。海外生産の太陽電池を設置して、エコハウスと称しているよりもよいと思います。

そこで今、実際に住宅分野で大きなトレンドになりつつあるのが「スマートハウス」です。スマートハウスは、現況では、家電や情報通信機器をインテリジェントに統合して、エネルギー消費を抑えるような住宅を目指すものと言えるでしょう。しかし、これだけでは不十分です。住宅の外皮が良くないと駄目なのです。では、住宅の断熱性を高めましょうとか、窓ガラスを変えて遮熱しましょうといったことを誰が提案したらうまくいきそうでしょうか? たとえば家電量販店が、エアコンや冷蔵庫などの家電を設置するときに「窓も変えると効率がよくなりますよ」とか「床断熱しておけば暖かく過ごせますよ」といったリフォームを提案することができます。また、これとは逆に住宅を供給する側が、家電の販売へと進出していく動きもあります。

さらに、太陽光発電のできる住宅が、電気自動車を充電できる装置を備えて、車という産業を引き寄せる試みがあります。家を軸に眺めてみると、高齢化社会とも関連して、このような新しいビジネスの広がりも実感できるんですね。