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おとなりの研究者
早稲田大学
平山郁夫記念ボランティアセンター
准教授

釧路公立大学
経済学部 経営学科 経済学部
教授

東京大学
大学院新領域創成科学研究科
特任助教

北海道大学
大学院文学研究科
准教授

北海道大学
大学院農学研究院 環境資源学部門 森林管理保全学分野
准教授

file 03:少数民族と観光客

エチオピアの人たちの「観光産業」には、よく練られた戦略が感じられる。ムルシの人びとは生活や姿を撮影させることで現金収入を得るが、1回の撮影で得られる料金は5ブル、日本円でおよそ25円(2016月12月現在)である。5人で写真に収まれば、ひとりにつき5ブルを請求する。観光シーズンともなれば、1日で100ブルを稼ぐ人もいるという。当地の新任の教員の給料が1200ブルというから、商売としての魅力は十分だ。

観光客は主に午前中にムルシの村を訪れ写真を撮るが、午後には空いた時間ができる。ほかの地域の住民がこの隙間をねらって、土器職人や鍛冶職人などの工房に案内したり、インジェラというエチオピアの主食の調理法を教え、自ら焼いて食べるなどの体験を伴ったビレッジツアーを提供するなど、アイデアを駆使してさまざまなツアーコンテンツを用意している。「観光客が、遠方から時間をかけて訪れ、旅先で財布の紐が緩んでいることも十分心得たうえでの戦略なのです」。

西﨑さんは、現金が入ることで文化に影響を及ぼすなど観光による弊害の側面が語られることが多いが、現地にとってのメリットも冷静に見ていく必要があると話す。改めて観光学に取り組むというよりは、人びとの生活や考え方の理解、それらの認知を広め文化の相互理解を進めるなど、あくまでアフリカ地域研究という文脈の中で、観光現象を捉えたいと考えている。