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おとなりの研究者
早稲田大学
理工学術院 先進理工学部
教授

藤田保健衛生大学
医学部解剖学II
助教

大阪大学
大学院理学研究科 生物科学専攻
教授

群馬大学
講師

岡山理科大学
理学部 生物化学科
教授

file 03:粘菌という生物の不思議さと自由さ

粘菌は、日常生活ではあまり見かけることがないと思われがちだが、実際には庭先や雑木林、森林などで見ることができる。生物を大きく分けると、動物界、植物界、カビやキノコの菌界、粘菌などの原生生物界、菌類のモネラ界の五つになる。これを五界説と呼ぶ。原生生物界とモネラ界は両方とも単細胞生物で、粘菌は原生生物界だが、一方で動物界や菌界にも近い性質ももっている。分類のどこにもぴったりと当てはまることができない生物である。

一口に粘菌といっても、数百種類の粘菌が存在し、細胞性粘菌と真正粘菌に大別できる。 研究に使用しているモジホコリという粘菌は真正粘菌に属しており、臭いや光に「好き嫌い」があることも興味深い。例えば、バニラの香りは甘くて香ばしく人にとっては好ましいものだが、モジホコリこれを嫌う。また、酒(エタノール)やたばこの煙も嫌いなものの中に入る。光はあまり好まないが、湿気の多いじめじめした高温の環境は好き。触覚(物体表面を触って、物理的な性状を知る能力)もある。重力や磁場に対する反応も報告されている。 「単細胞」はそれほどかしこくないという意味で使われることもあるが、単細胞生物には単細胞生物の独特の生活のしかたがある。「単細胞」という部分にとらわれ、機能が劣るというレッテルを貼ってしまうと、見えなくなるものがある。