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おとなりの研究者
北海道大学
大学院薬学研究院 創薬科学部門 生体機能科学分野
助教

北海道大学
大学院薬学研究院 創薬科学部門 衛生化学
教授

島根大学
医学部 微生物学
教授

北海道大学
遺伝子病制御研究所 病因研究部門
助教授・准教授

東北医科薬科大学
医学部
准教授

file 03:もうひとつの研究

南保さんが取り組んでいるもう一つの研究は、EBウイルス(Epstein-Barr virus)に関するものである。聞き慣れないものだがヘルペスウイルスの一種で、成人の90%が感染しているという。感染した細胞は腫瘍の性質を持っており、がん化する可能性もある。最初に同定されたがんウイルスで、ほとんどの人においては症状をひきおこすことはないが、一部の例でがんを引き起こすことが分かっている。さらに、日本人の胃がんの7%がEBウイルスによって引き起こされているというから、いわば身近なウイルスとみることも可能であるが、抗がん剤治療が効きづらいことも分かってきている。

通常ウイルスは、免疫系を刺激してしまうことによって免疫がはたらき攻撃されるのだが、EBウイルスは免疫系から逃れようという戦略を持っていることが分かっており、きわめて限定的な遺伝子しか発現しない。それだけ、発症のメカニズムがわかりにくいため、その全貌は分かっていない。エボラ出血熱についても、EBウイルスについても、取り組む研究者が少ない領域。「この2つを扱っているのは、知っている限り私だけです」と笑うが、研究者の少ないテーマだからこそという南保さんの研究姿勢がその笑顔から見える気がした。