もしあなたが言語について考えようと思うならば──まず自分だけの時間を作って、雑用など全部ないことにし、机に向かって『論理哲学論考』を開く。そして、ウィトゲンシュタインの言っていることをひとつひとつ、これは本当なのだろうかと考えながら、クリティカルに読む──これはひとつの出発点になり得ると私は思います。
実際、言語についてはすでにいろんなことを書いている人がたくさんいますが、ではどこから手をつけたらいいのか? というのは案外重要だと思うんです。というのも、もし出発点を間違えると、きっとひどいことになりますから(笑)。そんな中で、やはりウィトゲンシュタインは、私にとっては出発点の1つであり、1920年頃に書かれたものですが、今でも通用する何かを著したと思います。
広い意味で『記号と再帰』の原点でもある書籍を挙げます。
●拙著の基礎であるソシュールとパースの記号論に関して初学者に勧める書籍:
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フェルディナン・ド ソシュール、影浦峡・田中久美子 訳
東京大学出版会 2007年3月 ISBN-13: 978-4130802505 |
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米盛 裕二
勁草書房 1995年5月 ISBN-13: 978-4326151240 |
●記号の捉え方の変遷について深く考えるためのあこがれの書籍:
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ミシェル・フーコー、渡辺一民・佐々木明 訳
新潮社 1976年 ISBN-13: 978-4105067014 |
●「人間も記号の再帰が苦手である。」(サントリー学芸賞選評)という点について深く考えるためのあこがれの書籍:
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岩井克人
筑摩書房(ちくま学芸文庫) 1998年3月 ISBN-13: 978-4480084118 |
●学生時代に大きな影響を受け、1つの原点となった、尊敬する知識人の今のことば:
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蓮實 重彦
新潮社 2010年08月 ISBN-13: 978-4103043522 |