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おとなりの研究者
慶應義塾大学
理工学部 数理科学科
教授

横浜市立大学
データサイエンス学部
准教授

日本大学
文理学部情報科学科
教授

日本大学
理工学部数学科
教授

電気通信大学
名誉教授

file 03:最適化と近似

3つ目のサブグループでは、最適化という問題を扱っています。たとえば……さまざまなプロフィールを持つ顧客がいて、そこへ広告を打とうという場合を考えてみましょう。100万人ぐらいの量で男の人に情報を流したい場合、20万人ぐらいの量でカリフォルニアに住んでいる人に流したい場合、あるいは20万人ぐらいの量で、カリフォルニアに住んでいる男性で犬を買っていて趣味はサッカーの人に流したい……のように条件が多い場合もあるかもしれません。

このようにさまざまな条件があったときに、これを満たすいちばんよい割り当てを見つけようというのが「最適化」です。お金を稼ぐためには多くの条件があり、一方に顧客、一方に広告主がいると考えると、世界中どこにでもある課題だと言えるでしょう。

ネットワークにおける最適化の手法はいろいろありますが、代表的なものの1つが「線形計画法」と呼ばれるものです。解がないという結果になることもあるんですけれども、実はおもしろいことに、条件を増やせば増やすほど、計算が簡単になるんです。つまり条件を増やすほど可能性が減っていく……ということは、条件が多いということは一慨にデメリットではないかもしれないんですね。

しかし問題のなかには、少なくとも自分が生きている間には解けそうもない、というものもあります。この場合にはこっち、この場合ならあっちというような「場合分け」が多すぎる時なども、そのひとつです。このような場合、われわれは「近似」というものを使います。正解は出せないけれども、そこそこ適合するような答えは出せる、というわけです。

実はこれが4つめのサブグループのテーマで、近似で出した解を、「ヒューリスティック」と呼ばれる手法を使って、どんどん改善していきます。この時、やはりヒューリスティックにかける前の近似解が重要で、その精度が高ければヒューリスティックもいっそう効果を発揮してくれます。