今、学生たちの間で共通の関心事のようなものがないわけでもないんです。たとえば、このキャンパスに来るには、駅からバスが出ていますので、これを使って通学してくる学生がある程度たくさんいます。このバス代が高い、と。もちろんいろんな事情があるにせよ、学生ひとりひとりは、ほとんど例外なくこのことを不満に思っているようです。
ではこれが、学生運動ではないけれども、なんらかの協働した行動に結びつくかというと、私が知る限りでは、どうもそういう話には発展していないようです。ちなみに今、社会活動というのは、看板を立てるとかそういったものではなくて、むしろスマホを使ってSNSでやるものと言っても過言ではありません。手法はともかく、いずれにしても学生同士で集まってこの問題に対して行動をとろうといった話にはなっていないようです。ひとりひとり思っているのだけれども、なんというかな、そこには行かないんですね。そのあたりの感覚を、より実感ベースで、理解していく必要があると感じています。