現在、アフリカ地域研究に取り組む西﨑さんは、理系のバックグラウンドを持つ。「動物がとても好きなのです。生態学を勉強したいと思って理学部生物学科に進学しました」。ところが、当時携わったのは、DNA分析を行う系統分類。実験室で分析をする日が続き、動物やフィールドを研究する機会はなかった。動物、生態、フィールド、環境への思いがつのり、やがて森林保護やグリーンツーリズムなど環境に関心を持ち環境科学に軸足を移していった。博士課程進学を考えていたとき、海外青年協力隊に参加しエチオピアの生態調査と環境教育へと向かう。
野生動物保護の現場に立ち会い、グリーンツーリズムを志向した経験が、現在の研究や観光へのアプローチにつながる。さまざまな分野とフィールドならではの視野で考えを巡らせてきたことが、現在の研究の糧となっている。