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おとなりの研究者
東京音楽大学
音楽学部 音楽 作曲
教授

愛知教育大学
教育学部 創造科学系 第四部 音楽教育講座
教授

星美学園短期大学
幼児保育学科
助教授

鳴門教育大学
大学院学校教育研究科
教授

大阪教育大学
教育学部 教員養成課程 音楽教育講座
教授

file 03:現代曲への取り組み

インディアナ大学を出てからも時々ヤーノシュ・シュタルケル先生をお訪ねすると、よく「今どんな曲を勉強してる?」って聞いたりなさるんですね。私がドヴォルザークなんて答えると、「だめだめ、もっと新しいものでないと」って言われたりします(笑)。それくらい海外の演奏家は現代曲に取り組んでいるし、シュタルケル先生やロストロポーヴィチさんのような方だと、本当にその方のために書かれた作品がたくさんあって、常に新しい曲を紹介されているんですね。

現代曲のプログラムで演奏会をしたいというと、主催者の方でなかなか興業にならないと言うことがあるのですが、若い方などはひょっとするとブラームスを聴くよりも、ちょっと変わっているけれども、かえって面白いと思うかもしれません。現代曲は、新しい聴衆を開拓するという意味でも大事だと私は思っています。

実は数週間前も、オランダのアムステルダムで隔年開催されているチェロのフェスティバル「The fourth Amsterdam Cello Biennale, 2012/10/26-11/3」へ行ってきました。9日間にわたる大きなフェスティバルで、世界からいろんなチェリストが来て、70以上のコンサートやマスタークラスが開かれるんですね。今年のメインテーマはアジアの音楽で、具体的には中国と日本の音楽に焦点を当てたプログラムでした。私は何回か演奏させていただいたんですけれども、それが全部、日本人の作曲家の作品だったんです。今回、私は非常に、邦楽で言われる一音一音の大事さ、それから「邦人作品を弾かなきゃ」ということを感じました。

細川俊夫さんの作品や、鈴木輝昭さんの去年完成したばかりの作品を独奏したり、また比較的海外でも知られている宮城道雄(1894 - 1956)さんの「春の海」を、箏を弾かれるアムステルダムの方と一緒に演奏したりしました。それから間宮芳生先生の「キオ(1988)」という尺八とチェロのための曲がありまして、この尺八をオランダの方が吹かれたのですが、まったくすばらしかったです。ヨーロッパの人々も、現代のアジアの音楽に興味があるんだなということを痛感しました。中国からは作曲家のタン・ドゥンさん、チェリストのジャン・ワンさんが参加し、たいへんな盛況でした。