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おとなりの研究者
特定国立研究開発法人理化学研究所
放射光科学研究センター 利用システム開発研究部門
部門長

高エネルギー加速器研究機構
物質構造科学研究所
教授

公益財団法人高輝度光科学研究センター
タンパク質結晶解析推進室
主幹研究員

独立行政法人理化学研究所
播磨研究所 研究室 三木生物超分子結晶学研究室
研究員

公益財団法人高輝度光科学研究センター
タンパク質結晶解析推進室
室長 主席研究員

file 02:シミュレーションのちから

量子化学のシミュレーションは、万が一最初の仮定が間違っていたりすると、間違った答えが出てきてしまうという問題があります。またPSⅡというとても大きな分子に対して行う場合には、計算量が極端に大きく、ある程度限定したものしか計算することができません。

しかし、現実と比べて多少の違いはあってもいいんです。実験してある物質や構造を作ろうとしている立場からは、何か取っ掛かりになるものが欲しい、何らかの根拠の下にシミュレーションの結果が示されれば、それは実験を進める上でものすごい力なんですよ。

たとえばそのようなシミュレーションの結果からスタートして、いろんなことを試してみて到達した結果があるとします。一方、何もなく手当たり次第にやって到達した結果があるとする。その時どのくらい効率が違うでしょうか? それはもう確実に、シミュレーションができるようになったことによって、物質を合成したり、物質のメカニズムを考えたりするサイエンスはものすごく進むと思いますね。

たとえば今、マンガンカルシウムクラスターの骨格を実際につくろうという課題に臨んで、やはり何の方針もなく取り組むことはできません。そこで私は、生物界におけるタンパク質の進化を考え、遺伝情報からすべてのタンパク質ペプチドを発現させてライブラリーを構築してはどうだろう、と考えました。そしてこのデータから、マンガンカルシウムクラスターをうまく取り込むようなタンパク質を探索する……そんなことも考え始めています。