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おとなりの研究者
独立行政法人国立長寿医療研究センター
長寿医療工学研究部
流動研究員

自然科学研究機構 生理学研究所
大脳皮質機能研究系 心理生理学研究部門
准教授

独立行政法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
部長

京都大学
大学院医学研究科 附属高次脳機能総合研究センター
特定准教授

明治国際医療大学
医療情報学
教授

file 01:小川先生のBOLD法

fMRIの代表的な方法をBOLD法と呼びますが、この方法は小川誠二先生が1989年に発表されました。脳活動を調べるためにはMRIの中で被験者があおむけに寝た状態で連続撮影をしながら、映像を見るとか、記憶してもらうといった何らかの作業(課題)を行ってもらい、それによって活動が高まった脳領域で見られる脳画像の明るさの変化を観測します。これがfMRIです。

人体の血管には小さな筋肉(平滑筋)がついており、これが血流を調節しています。この血流量の調節によって、MRIの信号が変化します。実際にはヘモグロビンという血液中の赤い色素がどれくらい酸素で満たされているかによって画像の明るさが変わる「磁化率効果」と呼ばれる現象を利用しています。fMRI用の特別の装置があるわけではなく、一定以上の性能を備えたMRIなら、このような測定を行うことができます。fMRIは心理学の研究だけでなく脳外科で行う手術の準備(術前マッピング)のようにすでに診療でも使われています。代表的な方法では100〜200回繰り返して連続撮影し、撮影時間中の脳活動の平均的な脳活動を計算しますが、われわれは時間的な変化をある程度見ることができる方法を開発しました。

小川先生の発見されたこのBOLD法は、MRIを使ってヒトの脳内で発生している電磁気的な性質の変化を拾い出そうというものです。このような変化は一種の内因性の信号であり、その意味では脳波以来の発見ではないか、と私は考えています。現在ではMRIを使った脳機能計測の95%以上がこの方法によって行われており、いろいろな分野の研究者が脳の活動を計測する研究に参入できるようになったのも、ひとえに小川先生の功績に拠るものです。