file 01:子ども達に伝える生命のすごさ

僕らの研究室では、研究の成果を世の中に還元しようと、毎年、子ども達を対象に「ロボットでさぐる昆虫の感覚と脳と行動の不思議」と題したイベントに取り組んできました。また、全国の中高をまわって科学教室を毎年5回ほど行っています。昆虫の脳をつかって、動物の感覚や脳や行動の不思議を、いろいろな実験をとおして体験してもらっています。「ひらめき☆ときめきサイエンス」という日本学術振興会の委託による科学教室も、たくさんの高校の先生方の協力によって、毎年先端研で開催し、すでに5回行ってきました。かなり熱を入れてやってきました。大好評のようです。日本学術振興会からは、「優れたプログラム」にも認定され、今回「推進賞」ということで、6月に表彰していただけることになりました。

また現在、つくば市や、全国の高校の先生方とも協力して、たくさんの子供たちに、僕らの研究をフィードバックできればと活動をしています。この科学教室では、難聴の子供たちにも参加していただいています。難聴の子供たちは、普通に開催される科学教室には、なかなか参加できない。参加したくてもできないことを聴覚特別支援学校の先生がたからうかがっています。そこで、筑波大学附属聴覚特別支援学校の先生に手弁当で協力していただき、手話通訳をつけて、情報を保障して科学教室をおこなっています。これも5年目を迎えます。こういう試みには、たくさんの方の支援が必要です。この紙面を通しても、ご協力をいただけるかたは、ぜひお願いしたいところです。