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おとなりの研究者
京都大学
iPS細胞研究所
所長/教授

京都大学
再生医科学研究所 附属幹細胞医学研究センター
文部科学教官助教授

京都大学
高等研究院
特定拠点講師

特定国立研究開発法人理化学研究所
バイオリソース研究センター
チームリーダー

file 01:初期化のプロセス

iPS細胞をつくる僕らの方法では、ヤマナカ因子を導入する際に、レトロウイルスを使いません。どうするかというと、L-Mycを含めた新ヤマナカ因子を運び屋としての人工遺伝子ベクターに入れ込んでそれらと細胞をまぜて電気刺激をかけると、細胞の中に入っていくんですね。そこから新旧ヤマナカ因子達が発現して、iPS細胞になっていきます。この初期化のプロセスはやはり、おもしろい、非常に興味深いところですね。

調べ方としてはやはり初期化前の状態の細胞と、初期化の途中のもの、初期化が完了したものというように、時系列に沿って、サンプルをとって遺伝子や蛋白質の発現の変化をみていきます。ヒトの遺伝子は3万〜4万個ぐらいありますが、マイクロアレイという手法によって、現在ではその動きをだいたい一気に見ることができます。タンパク質の発現は質量分析という手法で解析できます。そうすると、やはり細胞の中はとても大きく変わっていることがわかるんですね。

体細胞はふつうは、たくさんある遺伝子のうちごく限られた特定の遺伝子にアクセスすることが可能で、その機能を発現しています。ところがヤマナカ因子を導入すると、今まではアクセスできていなかったような多くの部位にアクセスして、iPS細胞になるためのものを呼び覚ましていくという感じなんです。一方で初期化に関わらない、必要のないものはなぜか発現が抑制されて、うまい具合にアクセスできなくなる。そのバランスで最終的にはiPS細胞になっていく。まだまだ謎が多く、また非常に興味深い現象ですね。