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おとなりの研究者
慶應義塾大学
環境情報学部
教授

東京大学
大学院教育学研究科
教授

玉川大学
工学部 情報通信工学科
教授

東北大学
大学院文学研究科・文学部 言語科学専攻 言語学講座 言語学分野
教授

国立国語研究所
理論・対照研究領域
教授

file 01:赤ちゃんの学習ウィンドウ

人の赤ちゃんが言語学習するための最初のウィンドウというのは、もう本当に、音の分析だけに特化しているんですね。音声の特性は、言語によっていろいろな違いがありますから、単語を区切っていく上で役に立つ手がかりも、言語によって違います。自分の母語の中で聞こえてくるいろいろな音声の中でどの特徴に注目したらいいのか、赤ちゃんはまず、特徴を抽出するわけなんですね。

なぜ最初はウインドウを小さくして音の分析しかしないのか─言語というのは、ものすごくたくさんの情報をパラレルに含んでいる。音声情報だけでなく視覚情報、それらの環境、さらに社会的な文脈情報などさまざまなものがあります。これらのリッチな情報に全部注目して、全部トレースしていこうとしたら、情報処理は破綻するでしょう。だから最初は情報を入れるウインドウをうんと小さくして、これと決めたもの以外はシャットアウトするということをしてるのではないか、ということが考えられます。

そして学習のストックができてくると、赤ちゃんは少しずつウインドウを拡げていく。また、拡げたウィンドウのなかで、情報のどの側面に注意を向けたらいいかということも同時に学習していく。レキシコンを構築する上で、レキシコンそのものの学習以上に大事なのは、意味を自分で推論するために“何に注目しなくちゃいけないのか”を学習することだと思います。

人の赤ちゃんの言語の学習のしくみは、まさにあらゆる点で、なんとも理に適っていて、すごいシステムだなと思いますね。レキシコンの構築がどのようにして始まり、いかにミニマムなレキシコンができあがり、どういうふうにして、大人の精緻なものに変わっていくのか? それから母語のレキシコンと外国語のレキシコンは、どのように違うのか?─このようなさまざまな課題に取り組んでいます。