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おとなりの研究者
山梨大学
大学院 総合研究部 生命環境学域生命農学系(発生工学研究センター)
助教

東京大学医科学研究所
幹細胞治療部門
特任准教授

独立行政法人理化学研究所
筑波研究所 バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室
室長

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
生物機能利用研究部門 動物機能利用研究領域 動物生殖機能制御ユニット
主席研究員

特定国立研究開発法人理化学研究所
バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室
専任研究員

file 03:マンモス研究所をイメージすると?

2008年、僕らは16年間冷凍保存されていたマウスの凍結死体からクローンマウスを再生させたのですが、より長期にわたる、何万年も凍結されていた生物の組織はないか? と考えると、一番手に入りそうな材料が、マンモスなんですね。ほんとうは一万年前のネズミが手に入ったら一番いいんですけれども(笑)。

というのも、クローンの技術は、すべての動物種でそれぞれ独自の方法を開発しなければならないんです。僕が取り組んでいるのはマウスですが、たとえばこれより二回りくらい大きいラットではまたぜんぜん違うというふうに、近い種であっても方法はまったく違ってくるんですね。

マンモスを進化から見ると、アジアゾウとアフリカゾウの距離よりも、マンモスとアジアゾウのほうが近いことがわかっています。凍結細胞からクローンを作るのは、生きた細胞から作るよりも難しいので、ここはまずアジアゾウのクローンに成功してから、やっとマンモスがスタートできる流れになるでしょう。ゾウ、マンモスという動物種に最適な方法をまず確立しなければなりません。

ところがゾウは自然の状態からみても出産率が低いし、手に入れることができる卵子の数が極めて限られています。マウスや牛では、毎日多くの卵子が入手可能であり、それを使って世界中の多くの研究者がクローンに挑戦していることを考えると、まずゾウが足りないことが予想されます。またマウスは「はつかねずみ」というくらいで妊娠期間は約20日ですが、ゾウの妊娠期間は約3年もあり、3年に1度というサイクルで実験していかなければなりません。また卵子を増やすためのホルモンの研究や、卵子を子宮へ戻すためにどうやってあの大きなゾウに手術するかなど、準備しなければならない基礎研究がまだまだたくさんあるように思いますね。

でももし世界の大金持ちの誰かが、ゾウをざっと1,000頭は飼えるような研究所を作って、そこに本気で集中して取り組む研究者がいれば……復活はできると考えています。