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おとなりの研究者
東京大学
大学院工学系研究科 システム創成学専攻
助教授

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋機能利用部門海底資源センター
グループリーダー代理 / 研究員

東京大学
大学院総合文化研究科広域科学専攻
教授

早稲田大学
理工学術院 創造理工学部
講師(任期付)

九州大学
大学院理学研究院 地球惑星科学部門 地球進化史
講師

file 02:日本は資源小国なのか?

レアアースもそうなんだけれども、今後の日本にとって非常に重要なことは、日本の産業を支えるために、まずは資源を安定的に確保することじゃないかと、僕は思うんですね。日本はずっと資源貧国であるとか、資源小国であると言われてきたけど、本当にそうなんだろうか?

日本にはたくさん温泉がありますね。温度が高い水というのは、周囲の岩石中のさまざまな物質・元素を溶かし込むため、たいへん興味深いわけなんですが、これは日本列島の下にプレートが沈み込むことと関係しています。今年は東日本であのような大地震が起こり、それは我々日本人にたいへんな苦難を与えているわけですが、一方でそういうプレートの沈み込みが起こるということには、別の側面もあるわけなんです。たとえば現在、鹿児島に菱刈金山という鉱山がありますが、世界的にも桁外れに高品位な金が採掘されています。わかっている埋蔵量だけでも、6,000億円とも1兆円とも言われる経済的価値がある。こうした金鉱床は、プレートの沈み込みに伴う火山活動や熱水活動により生成しています。日本は昔、黄金の国「ジパング」と呼ばれていました。また江戸時代には世界有数の銀の大産出国でもありました。そのように考えていくと陸の資源についても、実は日本は大きなポテンシャルを秘めていることがわかります。もしかすると、資源大国になることも夢ではないかもしれません。

そしてやはり日本が資源大国になるためには、今まさに海の開発をすべきだと僕は思っています。日本の排他的経済水域内にも、資源としてのポテンシャルが高い1,000ppm(含有量0.1%)を超えるレアアースを含んだ泥が分布する有望なエリアがあります。まずはそうした海域について、ボーリング掘削による泥の採取と化学分析を行い、開発のための基礎データを蓄積しなければなりません。次に具体的にどこにどう濃集しているかを詳細に調査します。そうしたら今度は泥を経済的に採取できるのか、どのようなレアアースの抽出・分離精製システムを構築するのか、超えなければならない壁はいっぱいあります。でもいつか日本がレアアースを自給する日が来て、日本に海洋資源開発という新しい産業が創出されて、多くの人たちの雇用が生み出される。資源開発で日本が復活する、そんな日が来ることを夢見ています。─僕は研究を人の役に立つものにしたいんですね。と同時にやはり研究者として、46億年の壮大な地球のダイナミクスを解明したいと純粋に考えています。