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おとなりの研究者
東京大学
大学院工学系研究科 システム創成学専攻
助教授

国立研究開発法人海洋研究開発機構
海洋機能利用部門海底資源センター
グループリーダー代理 / 研究員

東京大学
大学院総合文化研究科広域科学専攻
教授

早稲田大学
理工学術院 創造理工学部
講師(任期付)

九州大学
大学院理学研究院 地球惑星科学部門 地球進化史
講師

file 03:レアアースが集まる場所

レアアースは、どういうところにたくさん溜まっているのか。海の泥を徹底的に分析して、独立成分分析という多変量解析手法で調べてみたところ、2つの物質がレアアースの濃集に関係していることがわかりました。1つは鉄に富む物質。もう1つは沸石の一種であるフィリップサイトという鉱物。どちらか一方でもいいし、鉄とフィリップサイトの両方が混ざっている泥もレアアースを高濃度に濃集していることがわかったわけですね。独立成分分析というのは、個々の成分がそれぞれどれだけレアアースの濃集に効いているかを抽出できる手法で、今回、東大理学部の学部時代からの同級生である東京工業大学の岩森光教授と共同研究を行いました。

レアアースが濃集するには、鉄とフィリップサイトが溜まっているだけでなく、濃集の妨害になる他の成分が溜まらないということも重要なんですよ。たとえば生物ですね。1ミリメートル以下の小さな「有孔虫」という、珊瑚の成分と同じ炭酸カルシウムの殻を持った生物が、海の水深200メートルぐらいまでの浅いところに、たくさんいる海域があります。これらは死ぬと海の底へ沈んでいき堆積しますが、水深が4,000メートルを超えると殻が海水に溶けてしまう。この殻が水深4,000メートルより浅い海域で降り積もった泥は白っぽい色をしていて、レアアースに富む茶色い泥とは対照的です。このような泥ではレアアースの濃度が薄まってしまい、資源にならない。つまり濃集するには、他のものが入ってきてもだめなんですね。僕たちはレアアースの資源にならないと最初からわかっているこうした白っぽい泥も、同じようにすべて分析しています。どこで濃集していないのかを把握することは、どこで濃集しているのかを見つけることと裏表の関係で、同じくらい重要なんですね。