読み取り(Reading)
ゲノムというのは、1冊の本にたとえることができます。ゲノムの場合は、A(アデニン)・G(グアニン)・C(シトシン)・T(チミン)という4つの塩基でできており、その組み合わせでいろんな情報が書かれていますが、本の場合はアルファベットや、日本語なら50音でいろんな情報が書かれているわけですね。これによって、いろんな情報が詰まっているわけです。ところが、ゲノムの中に書かれている情報というのは、一見したところ、そのまま読んでも何が書いてあるかわからない状態になっています。ところどころ意味があるような文字の連なりがあるんだけれども、全体としてはまったく読めない。ところがこれにマーカーをつけて、マーカーがついたところを拾って読むと意味が通り、特定の情報を得ることができます。さらに別の色のマーカーをつけていくと、また別の情報が現れてきます。先の話に出てきたリシンのメチル化・アセチル化も、このように、どの遺伝子を読み取りなさいよというマーカーの役目を果たしています。
転写(Transcription)
DNA(デオキシリボ核酸)からメッセンジャーRNA(リボ核酸)をつくることを「転写」といいます。核酸は遺伝情報を担っています。
翻訳(Translation)
メッセンジャーRNAからタンパク質をつくることを「翻訳」といいます。翻訳でつくられたタンパク質によって、いろいろな生命現象が営まれるようになります。
修飾(Modification)
リシンをメチル化することを、リシンをメチルで「修飾する」ということがあります。この「修飾」というのは、メチル基がより大きな分子であるリシン残基にくっつくことです。修飾というのは、服を着たり脱いだりするのに似ています。したがってくっついているのを外すこともできます。修飾を外すのが「脱メチル化」です。