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おとなりの研究者
京都府立医科大学
准教授

名古屋市立大学
大学院薬学研究科 薬化学分野 大学院薬学研究科
教授

長浜バイオ大学
バイオサイエンス学部 バイオサイエンス学科 遺伝子生命科学コース
教授

名古屋市立大学
薬学研究科 精密有機反応学分野
教授

東京薬科大学
生命科学部 細胞情報科学研究室
教授

file 02:薬が創られるまで

薬を創るには有機化学を学ぶことも、もちろん大切なのですが、この他にどうして病気になるのか、生物学が必要ですね。それから物理化学的な化合物の物性などもしっかり勉強しておかなければいけません。たとえば薬はふつう錠剤になっていたり、カプセルに入っていたりします。その状態で、まず安定でなければいけない。それから、薬を飲んだ後に体の中で患部に届く必要がありますから、このような性能を実現することも重要です。ところが目的の機能を果たし終えたら、薬は、今度はずっと体の中にい続けてもいけないんです。というわけで、代謝排泄の勉強も必要になってきますね。

また生物学の目標は、やはり生命現象に関する真理の探求だと思います。これに対して、化学の目標の一つは、新しい機能の創製です。僕のような化学の立場からは、エピジェネティクスを制御するような新しい物質を創り出したい。エピジェネティクスには、体の中で何が起こっているかという真実を知ることと、それを治療につなげることという、大きな2つの目標があると言えるでしょう。

薬を創るというのは、たとえば僕らの「ヒストン脱メチル化酵素の阻害剤」では、脱メチル化酵素を阻害すると癌に効くだろうという仮説を立てて試薬を創り、この考えが正しいということを実験で実証しました。僕らはこれを発表し、この後は製薬会社の人たちの仕事になります。彼らが研究結果を見て、脱メチル化酵素の阻害剤は本当に癌に効くんだということになれば、製薬会社の中でプロジェクトが立ち上がって─公開されることは滅多にありませんが─いずれは薬になってくれるのではないかと考えられます。