コンピュータの外へ出て実際に生活で使うモノを作るツールという2つめのテーマで、この他、楽器デザインのためのツールも作りました。鉄板をどういう形にしたらどんな音が出るのか、短くすれば高くなるぐらいはわかるけれども、人間が見ただけでは、形状と音程を関連づけることができません。そこで自由なかたちを描けば、コンピュータがどんな高さになるのか、次々と音を鳴らして教えてくれるというしくみを考えました。板の形状を変えていくと、これに追従して、連続的に音を確認できるようになっています。
また、コンピュータの画面でこんな椅子が欲しいです、と描くと、三次元のモデルと、そのパーツとなる板の型紙を作ってくれるツールもあります。レーザーカッターを使って、型紙データ通りに木材を切り出し、組み立てれば椅子が作れます。このプロジェクトには多くの学生や共同研究者が参加しており、そのようなコラボレーションの中から多彩なものが生まれてきているんです。
またこのようなツールを使えば本当に簡単にモノづくりができるので、いくつかワークショップも開きました。子供たちや親子で参加してもらい、自分だけのぬいぐるみを作ったり、iPod立てとして使える椅子を作ったり……実際に触って体験してもらうことができ、よかったと思っています。