file 03:トータルに民主主義を考える

私は「ねじれ」や「強い参議院」について、ずっと考えてきたのですが、その延長線上で今の国会のあり方とか、選挙のしくみを中心に、もう少し考え続けてみたいと思っています。そして国会や選挙以外にも、たとえば政党であるとか、官僚機構、地方自治といったしくみも含めて、トータルに民主主義を考えていかないと、なかなか適切な方向が見つからないのではないかと考えています。

今の政治は不安定なところがありますよね。でもひと昔前はそうじゃなかった。主要な政党があって、この政党ならだいたいこういう方向に動くだろう、とある程度見通しを持って政治を見ることが出来たと思います。今それがすごく難しい。これは世界各国共通の問題ですが、特に日本の場合は激しいと思いますね。

さて、これから憲法を考えるうえでの参考書として、近著としては『改憲の何が問題か』に私も書きましたけれども、改憲に関しては、憲法学の第一人者である樋口陽一先生の本をお薦めします。

樋口 陽一 (著)
岩波書店   2013年5月   ISBN-13: 978-4000222006


またこれから本格的に憲法学を学ぼうという方には、かなり高度で歯ごたえのある研究書ですが、私の恩師である杉原泰雄先生の本をご紹介します。私の研究の出発点は、この本かもしれません。

杉原 泰雄 (著)
岩波書店   1971年   ASIN: B000J9KHVE