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おとなりの研究者
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
宇宙科学研究所
国際トップヤングフェロー

愛媛大学
地球深部ダイナミクス研究センター 数値計算部門
教授

茨城大学
理工学研究科(理学野)地球環境科学領域
准教授

名古屋大学
宇宙地球環境研究所 基盤研究部門 総合解析研究部
所長・教授

名古屋大学宇宙地球環境研究所
統合データサイエンスセンター
特任助教

file 01:火星にも昔は磁場があった?

ダイナモ作用は、地球だけでなく他の惑星や、太陽など恒星の内部でも起こっていて、天体には広く見られる現象です。例えば太陽系の惑星では地球は主に固体(岩石)、木星・土星は主にガスでできているといった構造の違いがありますが、ガス惑星である木星・土星にも強いダイナモ作用があって、磁場がつくられているのではないかと考えられています。

ちなみに太陽の活動のひとつである「フレア」は、人類が保有する全核兵器を合わせたエネルギーの推定量よりも約100倍から10万倍も大規模な爆発ですが、これも太陽の磁場によって引き起こされています。また太陽観測で見られる「黒点」も、やはり磁場が生み出したものなんですね。太陽の内部でも、地球と同じようなダイナモ作用が起こっており、それを支配している方程式も基本的に同じものです。もちろん違いもたくさんあって、例えば地球の外核内は密度がほぼ一定ですが、太陽の対流層というのは、密度が10,000〜100,000倍も変化するという難しさがあります。

ところで火星にも、昔は磁場があったらしいんですけれども、今はありません。もともとは火星の地表上にあった大気が、おそらく磁場の消滅と共に太陽風によって徐々に吹き飛ばされ、生命の生存に適さない惑星になったのかもしれないと考えられています。したがって磁場の発生は、惑星上にわれわれのような生命が存在できるための必要条件のひとつかもしれない。地球の場合も、核とマントルが相互に影響を与えながらダイナモ作用が働き始めるようになり、地球の表層を太陽風から守れるようになったことが、最初は放射線の届かない深海にしか生息できなかった生命が浅海に進出できた要因の一つではないか、とも考えられています。