学部時代には教師になる希望を持っていなかったけれども、大学院に進んだ後に教職を目指すということもあります。そういう学生は意外と多くて、私の所属する東京大学では、教育学部を卒業して教師になる学生は10名程度ですが、修士課程では30~40名、博士課程修了では50名程度と、増えていく傾向があります。大学院は、自らテーマを見つけて研究する場ですから、学校現場が求める探求的な活動や課題発見・解決などの教育内容とも合っています。
また、社会人経験を持つ教師も増えています。社会での経験を教育に生かす教師が求められるということは、大学時代には教職を目指さなかったとしても、さまざまな経験を経た後で教師になるという道が開かれていなければなりません。
理学や工学など、他学部や研究科で研究をしてきた人が教育に関心を持つということもあります。それら他学部・他研究科に所属する教師志望の学生に対して、教育学部が果たす役割もあるでしょう。