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おとなりの研究者
公益財団法人アジア成長研究所
研究部
副所長・主席研究員

近畿大学
経済学部 総合経済政策学科
教授

独立行政法人労働政策研究・研修機構
労働政策研究所
副所長

茨城キリスト教大学
生活科学部 食物健康科学科
教授

大阪市立大学
大学院経済学研究科 現代経済専攻(地域・グローバル経済研究分野) 経済学研究科
教授

file 01:自己の成功体験から抜け出せない世代

高度経済成長をエンジョイし、性別役割分業によって夫は長時間働き、日本型雇用のなかで年功給で退職まで一応保証されてきた団塊世代。そのモデルで成功してきた世代は、若者世代の現状が受け入れられない。1995年頃に大学卒業をむかえた団塊ジュニア世代に対して、「なぜ非正規なのか」「なぜ結婚しないのか」「うちの息子はどうなっているのか」と疑問、いや不満を投げつける。

自分の成功経験に基づいて思考するので、社会構造の変化、日本型雇用の衰退を直視できず、子ども世代のきびしい状況を個人の資質や態度に理由を求めてしまう親世代。学費は親が出すが住宅は自分で取得せよという価値観があるので住宅取得に対して手厚く支援する必要はないと考えている。だが、「しっかりしろ!」と喝破したところで問題は解決しない。住宅取得年齢は高くなり、自力で住宅ローンを組める時期が遅くなっている。40代、50代の賃金にばらつきが出ていて、自力で家を持ち、子どもを大学に進学させることができる人たちが減ってきているのが現実だ。「そのことにもっと早く気づいて住宅補助政策を行うべきでした。学費に対する公的な支援も、日本は諸外国にくらべ遅れたまま。過去の成功体験にとらわれて、政策を切り替えられなかった」。社会の変化に気づかず、他の世代の切実な状況を個人の資質や努力に求め、結果的に判断を誤る結果になったことが、まさに世代間格差を生んだのだ。