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おとなりの研究者
公益財団法人アジア成長研究所
研究部
副所長・主席研究員

近畿大学
経済学部 総合経済政策学科
教授

独立行政法人労働政策研究・研修機構
労働政策研究所
副所長

茨城キリスト教大学
生活科学部 食物健康科学科
教授

大阪市立大学
大学院経済学研究科 現代経済専攻(地域・グローバル経済研究分野) 経済学研究科
教授

file 02:貧困とは、「ボロボロの服」を着ていることか?

貧困に対する無理解も解消すべき課題である。「放置すると、政策の方向性を誤る危険性すらある」と駒村さんは絶対的貧困と相対的貧困について説明する。「よく耳にするのは、ごく普通の身だしなみをしていて、スマホも持っているのに貧困と言えるのか? という考え方。今の社会の貧困をまったく理解していない」。

主に高齢者層は、「終戦直後に生まれた自分たちの頃はもっとたいへんだった、苦労した」という言い方で、そんな程度では貧困とは言えないと主張する。貧しい時代を生き抜いてきたのだから若者もそうするべきであり、貧困などと言うのは甘えだというのだ。「ボロボロの服を着ていつもお腹を空かせて過ごすような絶対貧困は少なくなっている。しかし、相対貧困はたいした問題ではないのかといったら決してそんなことはない」と、無理解に警鐘を鳴らす。「自分以外の多くの人が持っているものを買えなかったり、夏休みの旅行やレジャーの機会が得られないことから、社会から排除される構造が生まれるのです。子どもも同じです。友人と同じような生活ができない。仲間付き合いができない。そうしたストレスが、学力を引き下げることも確認されています」。社会からの孤立し、人生の、選択肢が狭められる。これが機会の格差、ひいては貧困を招く。相対貧困も社会全体で共有すべき大きな課題なのである。