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研究の壁をこえたとき

おとなりの研究者
国立極地研究所
生物圏研究グループ
助教

八戸工業大学
工学部 バイオ環境工学科
准教授

情報・システム研究機構
国立極地研究所 研究教育系生物圏研究グループ
准教授

国立極地研究所
特任研究員

国立研究開発法人産業技術総合研究所
生物プロセス研究部門 応用分子微生物学研究グループ
研究員

南極に行くようになったきっかけは何ですか?

就職して2年後くらいだったと思いますが、ほとんど何もわからない中、「南極行って越冬して来い」って言われて(笑)。でも行ってみると、おもしろいことがいっぱいありました。観測隊そのものが僕の性に合っていたので、結局その後も計6回、夏隊も合わせると40ヶ月くらい南極に滞在しています。今でも南極に戻りたくてしょうがないです(笑)。南極は本当に素晴らしい所ですよ。何にも臭いがなく、聞こえるのは自分の鼓動と耳鳴りだけ。それでもって目に映るのは真っ白い氷原と真っ青な空だけなんです。夜になれば空にオーロラが出ます。とにかく綺麗でその場にいるだけで幸せなんです。冬の気温はマイナス40度ぐらい。秒速60メートル以上の風が吹きます。それに雪もまじるので痛いです。雪のせいで前が見えません。伸ばした手も足元も見えないんです。どっちを見ても真っ白なので上下すら分からなくなります。方向感覚を失ってしまいますね。だから普通はロープを張っておいて、ロープをつかみながら移動します。

しかし南極のおもしろいところは、今自然科学で新しい現象が見つかる機会はそれほどないんですけれども、素人が初めて行っても、新しいことや誰も知らなかったことを見つけられる場所だということなんですね。たとえば南極には湖沼がいくつかあって、藻類とバクテリアと菌類で成り立っています。非常に水が綺麗で、魚みたいな生態系のトップがいないので生態系として非常におもしろいですね。表面の氷を割って水の中へ入ってみると、コケが高さ80センチほどの塔をつくっているんですよ。コケの周りに藻類が張り付いている感じです。これにコケ坊主という名前をつけんたんですけど、南極の池の中で、コケがこういった集合をつくって生きているというのは初めての発見だったんです。いろいろ調べるとどうやらコケの中にバクテリアが住み着いているんです。表面で光合成して中は酸素が無い状況です。上手くバランスをとって、エネルギーをやりとりしながら一つに成り立っている─そんなことが分かってきたので、今、研究を進めています。

越冬隊は一年間、だいたい30人くらいで過ごします。そこで、「みんな仲良く過ごしましょう」だとろくな観測隊で終われないんです。一人一人が各人の仕事を責任を持ってやった上で、レベルの高いところで調和すると、隊として上手くいくんですよ。これは大学時代グリークラブで学んだものと非常に共通していることですね。