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研究の壁をこえたとき

おとなりの研究者
国立極地研究所
生物圏研究グループ
助教

八戸工業大学
工学部 バイオ環境工学科
准教授

情報・システム研究機構
国立極地研究所 研究教育系生物圏研究グループ
准教授

国立極地研究所
特任研究員

国立研究開発法人産業技術総合研究所
生物プロセス研究部門 応用分子微生物学研究グループ
研究員

伊村 智教授(国立極地研究所)インタビュー

大学生活は多くの人にとって社会人になる前の最後の時期です。
将来像や人生の目標を持つ大学生がいる一方で、自分がやりたいことや将来像が見えずに「モヤモヤ」を抱えた学生もいます。そこで学生団体DANNAmethodに所属する学生たちが、この「モヤモヤ」に基づいた質問をresearchmapの研究者の方々にぶつけ、彼らの大学時代の過ごし方を手本に、「モヤモヤ」解決の糸口を探ります。

先生は幼い頃から南極を夢見ていたのでしょうか?

いや、南極へ行ってコケの研究をやりたいと思っていた訳ではないんです。もともと生物が好きで、特に森林生態学をやりたいと思って広島大学に進学しました。ところが広島大学では、たしかに森林生態学を教えていたのですが、どちらかというと古いタイプの生態学で、それよりも大学の講義でとても印象に残ったのは、コケの生態や分類などに関するものだったんですね。それがコケとの最初の出会いでした。初めは「あれ? 期待していたのと違うな」と思っていたのですが、コケの研究室にいた先輩方が自分のところに勧誘するための野外実習に参加しているうちに、「あ、コケもおもしろいな」ということになり、結局コケで学位をとることになりました。学部時代は日本の様々な植生を自分で感じるための実習へよく行ったんですけど、これが非常に楽しかったですね。夏は北海道、冬は沖縄で、山に登ったり、西表島に行ったり、本当に楽しみました。実習が終わった後にまた学生だけでちょっと山に登ったり、大雪の山の上を熊に怯えながら歩いたりもしました。

大学の学業自体は真面目にはやっていましたが、大学院に入ってからが本当の研究で、大学生の間は基礎知識的なところがありますから、学部の頃は、むしろサークルのほうが一生懸命やっていましたね。大学の入学式で男声合唱団が歌うのを聞き、「かっこいいじゃん」と思って、グリークラブという男声合唱団に入りました。当時の広島大学グリークラブでは、各パートが「でかい声出したほうが勝ち」みたいに競って声を出すんです。そして仕上げの時期が来たところで指揮者が調整して合わせると、それはもう次元の違う合唱ができあがります。これを最初から小さい声で合わせていると、ハーモニーはきれいでも、聴衆に届く演奏にならないんですね。一人一人がでかい声を思いっきり出しておいて、上のレベルで調整すればすごくいいものができる。全国大会に4年連続で出て、銅賞をとったりするようなサークルだったので、セカンドテノールのパートリーダーとして全国大会に行くという目標を持ち本格的に練習していました。今思うとバイトもいろいろやって、もっと遊んでおけばよかったなというちょっと残念な気持ちもありますが、サークル活動を一生懸命やったことは本当によかったと思っています。

大学院へ行くときも、僕の場合は、真面目に将来について考えていないという方が近かったですね。研究職を目指す、というよりも生物がすごくおもしろくて、好きなことを続けていきたかったんです。また修士、博士と取得していく中でおもしろいことがどんどん発見できましたね。就職してからも同じで、南極のコケの事でおもしろいことが次々に見つかっていったので、私としては気楽に楽しく、どんどん新しいことを発見しつつ、ここまで来たという感じです。